こんにちはめいです。
5年間公立高校で教員をしていました。今日は公立高校、特に底辺校の先生の質についてご紹介します。私がいた学校はいわゆる底辺校で、偏差値は40くらいでした。
こんな疑問に答えます。

底辺校赴任してくる先生ってやっぱりレベル低いの?
先生の転勤がどう決まっているのか知りたい!
偏差値の低い高校に赴任する教員は質が低い? 底辺校には若い先生が多い理由を解説!
偏差値の低い高校に配属される教員は質が低いのか?
結論として
質が低いとは言えないが、経験の浅い先生が多い
です。
理由としては
・罰として偏差値の低い学校に配属されることはない
・若い先生が多い
・非常勤の先生が多い
ということが挙げられます。この理由を説明するために、配属先の決まり方について解説しますのでお付き合いください。
配属先の決まり方
教員の配属先は以下のように決まります。
・現職の先生は校長が希望を聞いたうえで県の人事課が判断
・新任の先生は県の人事課が希望を聞いたうえで判断
そうなんです。希望を聞いてくれるんです。どういったことかというと、
・子供がいるので家から近いところに着任したい
・車を運転できないので家から公共交通機関で2時間以内のところに着任したい
・部活動が盛んな学校に着任したい
・普通科の高校に着任したい
こういう希望を聞いてくれます。もちろん全面的に聞いてくれるわけではありません。でも一応聴取の時間があります。
このように先生たちの希望聞いて、できるだけそれを実現するとどうなるのか
・生徒指導や教科指導が比較的やりやすい高校に赴任希望が集中する
・底辺校に赴任したい先生は少ないので赴任希望がない
底辺校だと基本的に「出て行きたい先生」はたくさんいますが、「入ってきたい先生」は全然いないということが起きます。
ちなみに地域によっては配属先があらかじめ限られることがあります。
例えばある都道府県では
・新任の先生は最初ある程度の偏差値の学校に着任
・2校目は島か特別支援学校に着任
という決まりがあるそうです。
最近は教員の数がかなり不足しています。新任の先生が最初はある程度の学校に行くのは、いきなり底辺校などだと辞めてしまう人がいるのでそれを避けるためとのことです。
ちなみに私の希望聴取はこんな感じでした。
人事課「先生(私)はどういった学校に着任したいですか?」
私「底辺校というか・・・偏差値の低いところがいいです。」
人事課「・・・先生はおとなしそうに見えますが大丈夫ですか?」
私「それはわからないですけど・・・経験しておきたいので頑張ります。」
人事課「先生は車を運転されますか?」
私「免許は持っていますがペーパーなのでできないです。」
人事課「部活の指導はできますか?」
私「卓球はやっていたので指導できると思います。」
こんな感じです。
ちなみに私は希望通り底辺校に配属になりました。部活は演劇部と陸上部でした。どちらも経験はなかったのですが(笑)
罰として偏差値の低い学校に配属されることはない
ある先生がなにか懲罰を受けるようなことをしたとします。それでも罰として偏差値の低い学校に配属されることはありません。罰としてある学校に赴任させるというのはその学校で働いている先生やそこに通っている生徒にとって失礼な話ですからね。
そのため、質の悪い先生の掃きだめになるということはありません。
底辺校に経験の浅い先生が多い理由
・新任の先生が多い
底辺校には新任の先生が多いことは事実です。
現職の先生の希望と新任の先生の希望ではやはり現職の先生の希望の方が通りやすいです。また、現職の先生の方が家族がいたり家を持っていたりと制約が多いのに対し、新任の先生は若い人が多いのでそこまで制約が多くありません。
上で解説した通り、現職の先生は底辺校に来たがらないのでその分新任の先生が底辺校に赴任することが多くなります。
私の赴任した学校は底辺校でしたが、毎年新任の先生が2~4人入ってきていました。そうすると先生になって3年目までの先生が学校に10人くらいいることになります。20代ですね。
生徒指導などが比較的やりやすい学校では新任の先生は2年に1人などです。学校によっては自分と一番立場が近い先生でも着任したのが5年前ということもあります。
講師の先生が多い
先生の中には「講師」という立場の先生がいます。
講師の先生とはどのような人かというと、
・教員採用試験には不合格(1次試験のみ合格)
・先生の不足を補うために1年契約で着任している
こういった先生方です。
何度も言いますが、底辺校は入ってきたい先生がいないので、その不足分を講師の先生で補うという形です。私の学校も講師の先生が多くいました。学年に5人くらいは毎年いましたね。学年に2人くらいの割合です。講師には若い先生が多いです。
教員採用試験に不合格=質が悪い?
普通に考えたら
教員採用試験に不合格=質が悪い
ですが、そうでもないことがあります。
高校の教員は教科によって倍率が全然違います。同じ都道府県なのに
国語の倍率5倍なのに美術の倍率20倍
とか全然ありますね。これだと美術の先生がある程度優秀でも採用試験には落ちたりします。
倍率がこんなに違うのは
・採用が少ない(国語の採用数100人に対して美術10人など)
・受験母数が多い(国語の受験者500人に対し社会2000人。採用数は共に100人など)
この二つが主な理由ですね。
ただ、ぶっちゃけ、倍率の低い教科(英語・数学・国語)で講師の先生はちょっとレベル低いなと思う人も何人かいました。
結果として、
質は悪くないが、経験の浅い若い先生が多い
という状態になります。
ちなみに私の勤めていた学校は教員の数は60人くらいでしたが、そのうち半分くらいが35歳以下、4人に1人くらいが20代でしたね。若いですね。
先生の「質」って何だろうか。
底辺校は若くてエネルギッシュな先生が多いです。ベテランの先生の方がモチベーション低いですね。ベテランの先生はやりやすい学校を知っているので、
「こんな学校早く出たい」
と思っている人も多いです。もちろんそうでないベテランの先生もたくさんいます。教育に対する情熱を失わないベテランの先生は貴重なので、巡り合えたら本当にラッキーです。
それに対して新任の先生は多かれ少なかれ
「教員採用試験に受かったんだから頑張ろう」
と思っています。
先生の質=経験
こう考えるとたしかに底辺校は質が低いかもしれません。
ただ
先生の質=教育にかけるエネルギー
こう考えると、決して底辺校は質が低くないですよ。
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